産前・産後の腰痛について|原因とリハビリ・ピラティスによる対策|たちはら整形外科・肩とスポーツのクリニック|明石市人丸前駅の整形外科・リハビリテーション科

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産前・産後の腰痛について|原因とリハビリ・ピラティスによる対策|たちはら整形外科・肩とスポーツのクリニック|明石市人丸前駅の整形外科・リハビリテーション科

産前・産後の腰痛について|原因とリハビリ・ピラティスによる対策

「腰痛」は、妊娠期に多い身体のトラブルの一つです。妊娠中は体重の増加やホルモンの変化、姿勢や歩き方の変化などにより、腰や骨盤まわりに負担がかかりやすくなります。

出産後は自然に軽快することも多いとされていますが、中には半年以上痛みが続く場合や、分娩後に腰痛が出現する場合もあります。産後は、抱っこや授乳、おむつ替えなどの日常生活動作や姿勢不良が腰痛の要因となることも少なくありません。

しかし実際には、「産後だから仕方ない」「育児中は我慢するもの」と考え、病院を受診される方は多くありません。また、現在の日本では、妊産婦さんに対する理学療法の積極的な関わりはまだ十分とはいえないのが現状です。

この記事では、産前・産後に腰痛が起こりやすい理由と、理学療法士の視点からみたリハビリ・運動療法について解説します。

妊娠中に腰痛を感じて腰に手を当てている女性のイラスト

なぜ腰痛を引き起こしやすいのか

妊娠期の身体機能変化

1.体重増加やホルモンの変化

妊娠初期から分娩に向けて、靭帯を柔らかくするホルモンが分泌されます。この働きによって、仙腸関節や恥骨結合など骨盤まわりの関節の可動性が高まり、痛みを伴うことがあります。

また、赤ちゃんの成長に伴って体重が増加することで、腰部や骨盤帯にかかる負担も大きくなります。これらの変化は出産に向けた自然な身体の準備ですが、関節の不安定性や筋肉への負担が腰痛につながることがあります。

2.体幹機能の変化

お腹が大きくなることで、横隔膜の挙上、肋骨弓角の拡大、腹横筋の収縮力低下、多裂筋の筋緊張亢進、骨盤底筋群の支持機能低下、腹直筋離開などが起こりやすくなります。

これらは、いわゆる「体幹の安定性」に関わる変化です。体幹の支えが弱くなったり、筋肉の使い方に偏りが出たりすると、腰部や骨盤まわりへの負担が増え、腰痛を感じやすくなります。

3.姿勢や歩行パターンの変化

妊娠の進行とともに、骨盤前傾位や腰椎前弯が強まった姿勢になりやすくなります。さらに、バランスを取るために胸椎後弯、体幹後傾位、支持基底面の増大なども起こります。

歩行では、歩幅の減少や体幹回旋の減少がみられることがあります。お腹が大きくなることで身体を回旋しづらくなり、動きに制限が出る一方で、安定性を高めるために歩き方が変化していきます。

また、妊娠中は活動量が減ったり座位時間が増えたりすることもあり、これらも腰痛の発生要因として考えられます。

産後の身体機能変化

産後は、約8週で靭帯の安定性が改善し、産後半年以降では骨盤底筋群の回復が進むとされています。一方で、約40%のお母さんに腰痛が持続するケースがあるとの報告もあります。

基本的な運動機能は徐々に回復していきますが、体幹の安定性や骨盤帯の機能の問題が残ることがあります。そのような状態で育児動作を繰り返すことで、姿勢不良や筋緊張が問題となりやすくなります。

特に、抱っこや授乳姿勢、おむつ替え、寝かしつけなどは、毎日何度も繰り返される動作です。少しずつの負担でも、積み重なることで腰痛につながることがあります。また、睡眠不足も身体の回復を遅らせる要因になります。

産後は、妊娠中の姿勢がそのまま続いていることも多く、赤ちゃんを抱っこするとさらに体幹が後傾しているお母さんも少なくありません。子どもが大きくなると、肩甲帯や骨盤が回旋し、片側に荷重が偏ることもあります。買い物後の荷物が加わると、さらにバランスを取ろうとして支持基底面が大きくなり、左右差も増えやすくなります。

産前・産後の腰痛は、このような身体機能の変化と、日常生活・育児動作の積み重ねによって発生することが多いとされています。

ではどうしたらいいの?対処法は?

産前・産後のリハビリ

リハビリを開始する時期や運動の強度は、お母さんの身体の状態、妊娠週数、出産後の経過、痛みの程度によって異なります。そのため、無理に同じ運動を行うのではなく、まずは身体の状態を評価することが大切です。

産前・産後ともに、呼吸法、姿勢の改善に向けた指導、適切な運動療法、抱っこや授乳などの動作指導が必要になることがあります。これらを得意とし、評価に基づいて治療を行う専門職が理学療法士です。

特に、姿勢の改善や骨盤底筋を含めたインナーマッスルの機能改善に取り組む方法として、ピラティスは相性のよい運動の一つです。近年では、女優さんやアイドルのSNSをきっかけに耳にすることが増えたピラティスですが、もともとはリハビリを目的として考案されたエクササイズです。

当院では、理学療法士資格を保有するピラティスインストラクターも所属しており、ピラティスを用いたリハビリも提供しています。また、患者さんを対象としたピラティス教室も行っています。なお、ピラティス教室は医療保険適用ではありません。

「腰痛がなかなか良くならない」「産後の運動を何から始めたらよいかわからない」「骨盤底筋という言葉は聞くけれど、どう鍛えたらよいかわからない」などのお悩みがある方は、お気軽にご相談ください。

よくある質問

Q.妊娠中の腰痛はよくあることですか?

A.妊娠中は、体重増加やホルモンの変化、姿勢の変化などにより腰痛が起こりやすくなります。痛みが強い場合や日常生活に支障がある場合は、我慢せずにご相談ください。

Q.産後の腰痛は自然に治りますか?

A.自然に軽快することもありますが、半年以上続く場合や育児動作で悪化する場合もあります。姿勢や身体の使い方、体幹・骨盤帯の機能が関係していることがあるため、評価を受けることが大切です。

Q.産後はいつから運動してよいですか?

A.出産方法や産後の経過、痛みの状態によって異なります。自己判断で強い運動を始めるよりも、まずは呼吸法や姿勢、骨盤底筋の働きなどを確認しながら、段階的に進めることをおすすめします。

Q.ピラティスは産後の腰痛に役立ちますか?

A.ピラティスは、呼吸、姿勢、体幹の安定性、骨盤底筋を含むインナーマッスルへの意識づけに役立つことがあります。ただし、痛みや身体の状態に合わせて行うことが重要です。

 

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執筆:理学療法士 佃 美智留

監修:医師 立原久義(たちはら整形外科・肩とスポーツのクリニック 院長)

産前・産後の腰痛に対して、整形外科専門医と理学療法士が連携し、お身体の状態に合わせた治療・リハビリを行っております。

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