明石市で肩を上げると痛い方へ|インピンジメント症候群の原因と治療を肩関節専門医が解説
肩を上げたときに痛い、途中でひっかかる、洗濯物を干す動作や棚の上の物を取る動作がつらい――。このような症状がある方では、肩のインピンジメント症候群が関係していることがあります。
肩の痛みというと「五十肩では?」と思われることが多いですが、実際には肩の痛みの原因はさまざまです。特に、腕を上げると痛いという症状では、肩の動き方の乱れや、腱板への負担が背景にあることがあります。
当院では、肩の痛みを単に「炎症がある」「年齢のせい」と片付けるのではなく、なぜその方の肩で痛みが起きているのかを丁寧に評価し、病態に合わせた治療を行っています。

インピンジメント症候群とは?
インピンジメントとは、英語で「ぶつかる」「挟まる」という意味です。肩のインピンジメント症候群では、腕を上げるときに肩峰の下で腱板や滑液包が擦れたり、挟まれたりして痛みが出ます。
当院では、インピンジメントの背景として、肩甲骨関節窩に対して上腕骨頭の求心性が乱れ、骨頭が前上方へ偏位することで、肩峰と腱板が擦れやすくなる病態があると考えています。
つまり、単に「骨が出っ張っているから痛い」というだけではなく、肩全体の動きのバランスが崩れた結果として、肩の中で摩擦や炎症が起きやすくなるというのが本質です。
このような症状がある方は要注意です
インピンジメント症候群では、次のような症状がみられます。
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腕を横や前から上げると肩が痛い
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肩を上げる途中でひっかかる感じがある
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洗濯物を干す、棚の上の物を取る動作で痛い
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スポーツや仕事で肩を使うと悪化する
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夜に肩がうずくことがある
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肩の前側や外側に痛みを感じる
初期には「動かしたときだけ痛い」程度でも、炎症が強くなると夜間痛が目立つこともあります。
インピンジメント症候群の主な原因
インピンジメント症候群は、1つの原因だけで起こるわけではありません。いくつかの要因が重なって、上腕骨頭の位置や動きが乱れ、肩峰下で腱板や滑液包に負担がかかることで生じます。
肩甲骨の動きが悪い
肩を上げる動作は、肩関節だけでなく肩甲骨の動きも重要です。肩甲骨の動きが悪いと、肩関節がスムーズに機能せず、結果として上腕骨頭が前上方へ偏位しやすくなります。その結果、肩峰の下で腱板や滑液包が擦れやすくなり、痛みにつながります。
後方関節包や棘下筋・小円筋のタイトネス
肩の後方組織が硬くなると、肩を動かした際にObligate translationといわれる骨頭偏位が起こりやすくなります。これにより上腕骨頭の求心性が保ちにくくなり、インピンジメントの原因になります。特に、投球動作、ラケットスポーツ、デスクワーク姿勢などが続く方では、後方の硬さが目立つことがあります。
腱板筋群の機能低下
腱板は、肩を動かすだけではなく、上腕骨頭を関節窩の中心に保つ役割を担っています。この機能が低下すると骨頭が不安定になり、前上方へ偏位しやすくなります。インピンジメント症候群では、単なる筋力低下だけではなく、腱板がうまくタイミングよく働けていないことが問題になっている場合も少なくありません。
五十肩や腱板断裂との違い
肩を上げると痛い場合、五十肩や腱板断裂との見分けが大切です。
五十肩との違い
五十肩では、肩関節そのものが硬くなり、あらゆる方向に動かしにくくなることが多いです。
一方、インピンジメント症候群では、特定の角度で痛い・途中でひっかかる感じがあるといった特徴が目立つことがあります。
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腱板断裂との違い
腱板断裂では、痛みだけでなく、力が入りにくい・腕が上がりにくいといった筋力低下が目立つことがあります。ただし、インピンジメント症候群と腱板不全損傷が併存していることもあるため、診察やエコー評価が重要です。
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当院で重視していること
当院では、単に「インピンジメントです」と診断するだけではなく、なぜその方の肩でインピンジメントが起きているのかを重視しています。
診察では、次のような点を確認します。
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どの動きで痛みが出るか
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肩甲骨の動きはどうか
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後方の硬さはあるか
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腱板機能は保たれているか
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神経の問題が隠れていないか
必要に応じてエコーを用いて、滑液包炎、腱板不全損傷、神経周囲の問題などを評価します。
インピンジメント症候群の治療
1.基本はリハビリテーション
インピンジメント症候群の治療で最も重要なのは、肩の機能的な問題をリハビリで改善すること
だと考えています。
具体的には、
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肩甲骨周囲の動きの改善
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後方関節包や棘下筋・小円筋のタイトネス改善
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腱板筋群の機能改善
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肩甲骨と上腕骨頭の協調性の再獲得
を目指します。
痛み止めや注射だけで終わるのではなく、なぜ擦れているのか、なぜ骨頭の位置が乱れているのかを整えていくことが根本的な改善につながります。
2.体外衝撃波治療を併用する場合があります
肩甲骨周囲筋の硬さが強い場合には、体外衝撃波治療を併用して筋の硬さを和らげることがあります。
3.炎症が強い場合はステロイド注射を行います
肩峰下滑液包での炎症が強く、痛みが強い場合には、肩峰下滑液包へのステロイド注射を行うことがあります。
特に、
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夜間痛が強い
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痛みが強くてリハビリが進まない
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日常生活への支障が大きい
といった場合には、まず炎症を落ち着かせることが大切です。ただし、注射だけで根本原因が解決するわけではありません。痛みが落ち着いた後に、リハビリで肩の機能を整えていくことが重要です。
4.PRP療法が適応になる場合があります
炎症が長引いている場合や、腱板不全損傷を伴う場合には、PRP療法が適応になることがあります。
5.神経の問題が関与する場合はハイドロリリースを検討
肩の痛みや動かしにくさの背景に、腋窩神経や肩甲上神経の問題が併存している場合があります。そのようなケースでは、神経周囲の癒着や滑走不全を改善する目的で、ハイドロリリースを行うことがあります。
肩の痛みは、腱や関節だけの問題ではなく、神経周囲の問題が関係していることもあるため、見極めが重要です。
▶ ハイドロリリースとは?|肩や腕のしびれ・痛みに対するエコーガイド下注射
6.保存療法で改善しない場合は手術が適応になることも
多くの方は保存療法で改善が期待できますが、
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十分なリハビリを行っても改善しない
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注射や再生医療を行っても症状が遷延する
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腱板損傷が進行している
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日常生活や仕事、スポーツへの支障が大きい
といった場合には、鏡視下手術が適応になることがあります。
肩を上げると痛い方は、早めの評価が大切です
インピンジメント症候群は、早い段階で適切に評価し、肩の動きや筋機能の問題を整えていくことで改善しやすい病態です。一方で、痛みを我慢しながら使い続けると、滑液包炎の悪化や腱板損傷の進行につながることもあります。
「五十肩だと思って様子を見ていた」
「痛み止めだけでなかなか改善しない」
「肩を上げると毎回ひっかかる」
という方は、一度きちんと評価を受けることをおすすめします。
明石市で肩の痛みにお悩みの方へ
たちはら整形外科・肩とスポーツのクリニックでは、肩を上げると痛い、ひっかかる、スポーツで肩が使いにくいといった症状に対して、診察・エコー評価・リハビリ・注射治療・体外衝撃波治療・PRP療法・ハイドロリリースなどを組み合わせ、病態に応じた治療を行っています。
肩を上げると痛い症状でお困りの方は、お気軽にご相談ください。
院長 立原 久義
肩の症状についてはこちらもご覧ください



